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国内大手不動産会社「住友不動産」のビル売却に関する情報まとめ

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国内屈指の不動産デベロッパーである住友不動産は、大きなビル取引の際によく名前が挙がる企業です。しかし住友不動産は、ビルの売り手としてではなく買い手として報じられることが多くなっています。 本記事では、そういった面も含めて […]

国内屈指の不動産デベロッパーである住友不動産は、大きなビル取引の際によく名前が挙がる企業です。しかし住友不動産は、ビルの売り手としてではなく買い手として報じられることが多くなっています。
本記事では、そういった面も含めて住友不動産のビル売却関連情報を、まとめてご紹介しています。

▼ビル売却の事例についてはこちらの記事でも総合的にまとめています。ぜひあわせて参考になさってください。
大規模なビル売却事例を2021年~2023年からピックアップしてご紹介! 売却の流れやポイントも解説

住友不動産の概要

住友不動産株式会社は、住友グループに属する国内屈指の大手不動産会社、不動産デベロッパーです。
東京の西新宿に本社を置き、事業内容としてはビルの開発や賃貸のほか、マンションや戸建てといった住宅の開発・分譲、そして不動産の鑑定や仲介などが中核となっています。
また、宅地の造成や分譲、建築土木工事など土地関連の事業も手がけています。

▼住友不動産の沿革
・1949年 第二次世界大戦終戦後の住友財閥解体により、不動産部門を譲り受けたかたちで「泉不動産株式会社」を設立
・1957年 商号変更し「住友不動産株式会社」へ
・1963年 株式会社住友本社を吸収合併
・1970年 東京証券取引所および大阪証券取引所2部に上場
・1971年 東京証券取引所および大阪証券取引所1部へ指定替え
・1973年 「住友不動産建物サービス株式会社」設立
・1974年 東京・西新宿に、当時の国内で初となる、200mの高さを誇る超高層ビル「新宿住友ビル」を完成。本社機能を同ビルへ移転
・1975年 「住友不動産販売株式会社」設立
・1982年 「住友不動産ホーム株式会社」設立
・1982年 東京・西新宿に、新たな超高層ビル「新宿NSビル」を完成。新宿住友ビルから同ビルへ本社機能を移転
・2017年 「住友不動産販売株式会社」完全子会社化
・2019年 プライムクエスト・スリー株式会社、プライムクエスト・フォー株式会社を合併

以上の沿革はあくまで主要な部分のみのピックアップとなります。
グループ各社も含めると大変幅広い事業展開をおこなっている同社ですが、特に主軸となる不動産デベロッパー事業に関して、業界内では住友不動産の“とある特徴”に注目が集まることがよくあります。

その際立った特徴について、次章でご紹介します。

開発したビルをほとんど「売却せずに」長年に渡って事業を成功させている住友不動産

不動産デベロッパーと聞くと、リゾート開発や都市再開発のほか、ビルや住宅を建設したうえでその不動産を売却して業績をあげているというイメージを持つ方も多いでしょう。
実際にほかの不動産デベロッパーでは、ビルなどの開発した建物を外部へ売却し、売却益で早期に資金回収するというビジネスモデル(収益構造)を主軸としているケースも多くあります。

ところが住友不動産に関しては、「ビルを開発しても、そのビルを外部に売却することはほとんどない」ということで知られています。実際に経済情報誌や不動産関連のニュースサイトなどでは、その面で住友不動産を“異色の経営哲学を持つ”というように評している記事も多くみられます。

開発したビルを売却せずに、住友不動産はどのような経営をおこない、事業を成功させているのでしょうか。

“不動産業界随一の「大家(おおや)」”と称される住友不動産のビジネスモデル

開発したビルをほとんど売却せずに事業を成長させている住友不動産の大きな特徴は、そのビジネスモデルにあります。
同業他社が開発ビルを売却しつつ、物流施設なども含めた多角化路線でようやく業績を向上しているのに対して、住友不動産は賃貸オフィスビルの開発へ、特に経営資源を集中させているのです。ただ経営資源を集めるだけでなく、そのなかで例えば資材の調達を工夫してコストを削減しつつ、かけられる部分にはコストをかけてオフィスビルの“商品力”を高めています。
そうして東京都心に230棟以上もつくられた住友不動産の保有オフィスビルは、空室がほぼ生じることなく年間で膨大な賃料を享受できる収益源となっているのです。

近年、2020年以降の新型コロナウイルス感染拡大の影響で世間では事業環境の不透明感が続いていましたが、そんななか、例えば渦中の2021年度にあっても、同社は増益を達成できています。

ビルを保有している企業やオーナーにとって、ビルの価値が高いうちに売却する、早期に資金回収しておき、また次のビル開発へ……という流れは当然のことながらよく検討される事業計画のうちのひとつです。しかし一方で、住友不動産のようにビル開発時に賃貸オフィスビルとしての魅力を高めることへリソースを集中し、その後に長年に渡って安定した賃貸収入を得るという事例は、大変参考になるビジネス成功例のひとつと言えるでしょう。
ただしこの方法は、オフィスビルのニーズが高い都心に200超もの物件を開発できるような、住友不動産ほどの資本力と企業体力があってこそとも考えられます。

数少ない住友不動産の保有ビル売却事例

自社が開発したビルに関して、外部への売却はほとんどおこなわずに賃貸オフィスビルとして運用している住友不動産ですが、その住友不動産であっても、都合により保有ビルを売却することはあるようです。

2023年4月には、品川区西五反田の第二京浜沿いに保有していたオフィスビルを一棟、住友不動産が外部へ売却したことが報じられました。
当該不動産は山手線の五反田駅や目黒駅から近く、ビジネス面で好立地に所在しているため、住友不動産の賃貸オフィスビル事業としてもいわば主要な不動産のひとつであったと考えられます。

売却理由などは公開されていませんが、基本的に保有ビル売却をおこなわずに事業を成功させている住友不動産のような企業であっても、事業上の都合で適宜、ビル売却をおこなうことがあるという一例です。

「住友不動産へ自社ビルを売却」する事例は多くある

保有ビルを外部へ売却することの少ない住友不動産ですが、逆に住友不動産へ保有ビルを売却する企業は多くみられます。
住友不動産は三井不動産や三菱地所などとも肩を並べる国内大手不動産デベロッパーであり、保有ビルの運用力も大変高いことから、高額な取引が可能な相手として検討されることが多いのでしょう。

まず大変古い事例からご紹介すると、1987年に、アメリカのニューヨーク五番街に所在していた延べ床面積150万平方フィート規模の“クラスA”オフィスタワーである、666番地ビル(通称「ティッシュマンビル」)が住友不動産へ売却されています。当時、アメリカ国内でもかなり大きな規模のビル取引となり、世間の注目を大変集めました。

近年の一例としては、2020年10月に日本たばこ産業(JT)が東京の虎ノ門に所在していた「旧本社ビル(JTビル)」を住友不動産へ売却しています。
このJTビルは、多くのオフィスビルやホテルが建ち並ぶビジネスの中心地、虎ノ門においてもひと際目立っていた、地上35階、高さ170メートルの超高層ビルです。
売却額は非公表でしたが、各メディアでは数百億円規模の取引であると報じられています。
日本たばこ産業は当該ビルを売却後、本社機能を近隣の「神谷町トラストタワー」へ移しています。

さらに別件として新しいところでは、2024年3月に芸能プロダクション最大手の「SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)」が、保有していた渋谷エリアの商業ビルを住友不動産へ売却したと報じられました。売却額や詳細は公表されていませんが、一説によると少なくとも20〜30億円規模以上であるとされています。

ビル売却をおこなった事例、売却しないで運用した事例などビジネス成功事例はさまざま

ビル売却に関する様々な事例を知りたいという方へ向けて、本記事では国内有数の不動産デベロッパーである住友不動産について、主に売却をしないで事業拡大しているという側面や、住友不動産へ売却されたビルの事例などをご紹介しました。

住友不動産のビジネスモデルではビルを売却せず保有しつづけ、賃料収入を得ているということが成功の秘訣となっていますが、長期的にみてビルを売却したほうがよいのか、メンテナンスやリノベーションを続けてでも保有したほうがよいのか、という決断の是非は企業やオーナー様の状況によってさまざまとなるでしょう。

ぜひ、世間で大きく話題になった多くのビル売却関連情報を参考に、ご自分にあった最適な資産運用方法を見つけ出してください。

まとめ

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