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ジャニーズ事務所本社ビル売却? ソニーミュージックもある乃木坂の地価や再開発計画も調査

ビルの事例

2023年に旧ジャニーズ事務所(現:株式会社SMILE-UP.)に関する一連のニュースが世間に衝撃を与えました。これにより、補償金の支払いや巨額の納税額などがトピックランキング一覧の上位に並ぶほど話題になっています。そこ […]

2023年に旧ジャニーズ事務所(現:株式会社SMILE-UP.)に関する一連のニュースが世間に衝撃を与えました。これにより、補償金の支払いや巨額の納税額などがトピックランキング一覧の上位に並ぶほど話題になっています。そこであわせて注目を浴びているのが、港区赤坂にある乃木坂ビルの売却についてです。
同事務所は日本を代表する芸能プロダクションでありながら、非上場のため保有資産は明確にはなっていません。しかし、多くのメディアが独自で調査し、巨額な資産を所有していると報じられています。

この記事では、旧ジャニーズ事務所の本社ビルの売却の可能性について調査しました。赤坂9丁目の再開発やビル売却の節税効果もまとめています。

▼ビル売却の事例についてはこちらの記事でも総合的にまとめています。ぜひあわせて参考になさってください。
大規模なビル売却事例を2021年~2023年からピックアップしてご紹介! 売却の流れやポイントも解説

旧ジャニーズ事務所の概要

旧ジャニーズ事務所は日本を代表する芸能プロダクションです。2023年10月17日に社名を「株式会社SMILE-UP.(スマイルアップ)」へ変更しました。

商号:株式会社SMILE-UP.
本店所在地:東京都港区赤坂9丁目6番35号
設立年月日:1975年1月23日
代表取締役社長:東山紀之
代表取締役:藤島ジュリー景子
従業員数:240名
資本金:10,000,000円
引用:SMILE-UP.「会社概要」
https://www.smile-up.inc/s/su/page/company?ima=4521

2018年に現在の本社乃木坂ビルへ移転

現在、赤坂にある本社ビル「SME乃木坂ビル」は2001年に施工されました。地上6階地下3階となっており、地下1~3階にはソニー・ミュージックエンターテインメントのレコーディングスタジオが入っています。ビルの所有はソニーでしたが、2018年にジャニーズ事務所へ譲渡されました。

本社ビルは千代田線乃木坂駅からは徒歩1分、大江戸線六本木駅からは徒歩6分と利便性が高く、港区のなかでも一等地にあたります。旧ジャニーズ事務所はこの本社ビルだけではなく、東京都内に複数の不動産を所有しているといわれています。ほかにも音楽著作権や出版権などを資産として所有しています。

2023年に問題になったニュースの影響

旧ジャニーズ事務所は2023年にジャニー喜多川氏による問題が国内外で糾弾され、世間に大きな衝撃を与えました。こうしたニュースの影響は大きく、不動産価格にも影響を及ぼします。
不動産価格に影響を与える要素として以下の3つが挙げられます。

・自然的要因
・社会的要因
・経済的要因

これらの要因は相互に影響しており、どれかひとつで生じるものではありません。
「週刊文春」の独自取材によると、旧ジャニーズ事務所の本社ビルは150億円の価値があるとも報じられています。しかし今回世間を騒がせたことで、本社ビルの資産価値にも影響が出ている可能性は少なくありません。

旧ジャニーズ事務所は非上場企業のため、所有する資産の評価額などについては広告されておらず、正確に確認することはできなくなっています。

旧ジャニーズが所有する資産の相続問題

ジャニーズ事務所は「週刊文春」以外にも多くのメディアで多数の不動産を所有しているといわれています。藤島ジュリー景子前社長は、故ジャニー喜多川氏や故メリー喜多川氏より株式などの多くの資産を継承しているものの、「事業承継税制」を使用して、相続税の納税を猶予・免除されています。

事業承継税制とは

事業承継税制とは、中小企業の経営者が亡くなったときに、不動産を含む会社の資産が大きい場合に相続税の負担が増えて会社を清算しなければならなくなる事態を避けるための制度です。

後継者である受贈者・相続人等が、円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において、その非上場株式等に係る贈与税・相続税について一定の要件のもと、その納税を猶予し、後継者の死亡等により、納税が猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度です。
引用:国税庁「法人版事業承継税制」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/jigyo-shokei/houjin.htm

上記でいう「一定の要件」を簡単にいうと以下のようになります。

・後継者が代表者でなくなった
・従業員が承継時の80%を下回った
・後継者と同族関係者の議決権が総議決権数の50%以下
・納税猶予対象株式の一部を譲渡した

旧ジャニーズ事務所の後継者である藤島ジュリー景子氏は、代表取締役を退任したため、納税猶予は取り消される可能性があります。そのため、藤島ジュリー景子氏は2023年10月2日の会見で「納めるべき税金をすべて納めて、会社を終わらせます」という手紙を発表しています。

所有する資産の推計額は約1,000億円

旧ジャニーズ事務所は資金状況や資産が公開されていないため、明確な額は不明ですが、その所有資産の推計は800〜1,000億円ともいわれています。

2021年に東京国税局が実施した税務調査では、事務所の慣習として根付いていた「お年玉」などが経費ではなく、藤島ジュリー景子氏の個人的な支出とされ、合計約65億円の申告漏れの指摘をうけています。

SMILE-UP.社の被害補償特設サイトによると、2024年3月29日時点での補償金の支払い状況は、申告者数973人に対して324人と公表されています。これまでいくら支払っているのか具体的な金額は明らかになっていませんが、税務調査による追徴課税なども踏まえると相当な額を支払っていると考えられます。

一部では「旧ジャニーズが資産を切り売りしている」と話題に

旧ジャニーズ事務所は、所属タレントのマネジメント業務を新会社「STARTO ENTERTAINMENT(スタートエンターテインメント)」へ移し、2024年4月より本格的に始動しました。

補償金の支払いや納税資金を確保するために、所有している不動産の一部を売却すると予測されています。実際に2024年3月25日に日経不動産マーケット情報にて、旧ジャニーズ事務所が所有していた渋谷の商業ビルを住友不動産が取得したという情報が発表されています。

商業ビルの売却価格は公表されていませんが、週刊誌記者の取材によるとビルの価値は20〜30億円とみられているため、相当の売却価格がついているはずです。数十億円の補償金の支払いに充てるため、または不測の事態に備えた商業ビルの売却とも考えられます。この商業ビルの売却費用を補償金の支払いに充てている可能性も否定できません。

渋谷区・港区の公示地価・基準地価

旧ジャニーズ事務所は渋谷以外に、赤坂や麻布の一等地にも土地やビルなどの不動産を所有しているといわれています。国土交通省が公表している「地価公示」より、渋谷区と港区(赤坂・麻布)の地価の推移をまとめました。
(円/平方メートル)

年度 渋谷区 港区
2022年(令和3年) 1,306,000 2,029,000
2023年(令和4年) 1,334,900 2,076,700
2024年(令和5年) 1,386,700 2,149,700
2025年(令和6年) 1,483,200 2,297,300
出典:国土交通省「地価公示」
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000043.html

「地価公示」とは国土交通省が年に1回発表している「土地の価格」です。不動産を売却するにあたって、適正な売却価格を決めるために用いられます。上記の価格は渋谷区と港区の住宅地の平均地価です。商業地域であれば1平方メートル500万円を超えるエリアもあります。

旧ジャニーズ事務所のある赤坂9丁目は、第一種中高層住居専用地域と商業地域の重なる場所です。乃木坂駅や六本木駅から徒歩圏内ということもあり、売却となるとさらに高くなることが想定されます。

赤坂9丁目は再開発等促進区

2023年4月には「港区都市計画施設等図」にて、旧ジャニーズ事務所のある赤坂9丁目は「再開発等促進区を定める地区計画区域」と示されています。「再開発等促進区を定める地区計画区域」とは、土地を合理的に利用し、都市機能の増進を図ることを目的に地区計画において優良な建築物等を一体的に整備することを指しています。

これまで港区は東京ミッドタウンやタワーマンション、公園など赤坂9丁目の再開発に取り組んできました。「赤坂九丁目北地区第一種市街地再開発事業事後評価書」では、赤坂9丁目北地区の再開発について高く評価しています。これからの都市計画にあたって、旧ジャニーズ事務所本社ビルを含む土地が再開発等促進区となっていることから、売却の可能性も十分に考えられるでしょう。

旧ジャニーズ事務所本社ビル売却の可能性は?

東京商工リサーチによると、2023年度上半期の上場企業で不動産の売却を開示したのは36社と発表がありました。36社中14社は赤字決算を発表しています。コロナ禍は収束に向かいつつあるものの、手もと資金の確保のために不動産売却を選ぶ企業も少なくありません。

旧ジャニーズ事務所はニュースでも注目されている問題にくわえて、承継した資産にかかる巨額な納税額をどのように納めるのかが注目を浴びています。

現在は事業承継税制の納税猶予期間にあるため、すぐに本社ビルを売却する可能性は低いと考えられますが、組織編制により納税猶予が取り消される可能性も少なくありません。さらに周辺地域の再開発による地価向上や、本社ビルエリアも再開発対象となっていることから、納税猶予が取り消された場合、本社ビルを売却して納税資金とする可能性も想定されます。

節税につながる不動産売却のタイミング

不動産売却で得た所得は法人税などの課税対象ですが、以下のタイミングで売却することで大きな節税効果が見込めます。

・他事業が赤字になりそうな年
・新規の不動産を購入するとき
・特別償却制度の利用

旧ジャニーズ事務所は2022年の売上高は推計で約800億円ともいわれています。そのため他事業による赤字相殺は考えにくいですが、今後の動向により全く可能性がないとはいえません。また、所有不動産も多数あることから、今後も新規の不動産購入の可能性も考えられるでしょう。

再開発による地価の向上のタイミングで売却の可能性もあります。多くの利益を得ると納税額も増えますが、中小企業投資促進税制の特別償却制度が適用される可能性も少なくありません。これは普通償却限度額が拡充され、経費が多く認められるという優遇制度です。不動産売却で得た利益を圧縮できるため、納税額を減らすことができます。

ビル売却のご相談はビル売却どっとこむへ

旧ジャニーズ事務所の本社ビルは最寄駅から近く、再開発が進む赤坂9丁目にあります。補償金の支払いや相続税など納税資金の確保が懸念されるなかで、再開発エリアにあるということは本社ビル売却の可能性もゼロではないといえます。

コロナ禍の影響で不動産売却を検討されている企業も少なくありません。所有ビルの売却を検討されているなら、経営戦略も踏まえたタイミングで売却したほうがよいでしょう。その際に頼りにしていただきたいのが、ビル売却実績の豊富な不動産会社です。

まとめ

ビル売却どっとこむでは、不動産の売却について役立つ情報を発信しています。ビル売却についてお悩みなら、お気軽にご相談ください。トップページからビル売却に関する基本情報からお役立ち知識まで、様々なコンテンツをご用意しております。